世の中FXで勝つための方法を書いた書籍、アフィブログ、商材、セミナー等、情報は無数にある。
大抵はクソアフィブログだったりゴミ商材だったりで役立たずだが、中にはちゃんと手法やリアルトレードの記録を公開して、きちんと勝っている真面目な情報源もある。
世の中には確かにFXで勝っている人が居る。テクニカルとか全く役立たずの、ただの運ゲーとしか思えない、あのFXで勝っているのだ。
しかし、実際に勝ってる人からFXの勝ち方について教わったとしても、やっぱりFXで勝つ事はできない。一体何故?
「教わったとおりにやっているのに全然勝てない!詐欺だ!」と思うかもしれない(実際に詐欺情報は多いが…)
何故きちんと教わっても勝てないのか?理由はおそらく、「情報が足りない」のである。しかも教えている本人もそれに気付いていない。
2012年に、「Googleの研究開発によってコンピュータが猫を認識できるようになった」というニュースが飛び交った。
YouTubeの猫画像を1週間見せ続けた所、人間に教わる事なく、猫という概念を、コンピュータは認識できたのだとか。
このニュースで重要なのは、「猫を認識できるようになった」事ではなく、「猫という概念を認識」の方だ。
猫とは何か、猫を知らない人に言葉で説明しようとすると…
- 四足歩行の動物である
- 尾長40cm、肩高35cm、体重は2.5 – 7.5kg
- 肉球がある
- 耳が尖ってる
- 体中毛だらけでもこもこ
- etc
おそらく、いくら言葉で説明しようとしても、猫を知らない人にはさっぱり理解できないだろう。
日本には昔から「職人の技は目で盗め」という言葉がある。
これは端的に、「技術というものは言語化できない」ということを表している。
なるほど、言葉では教えられないから、視覚的に伝えるという事なのか。
では猫を知らない人に、猫を教えるためには、猫の画像を見せればいいのか。
これが猫だ!データ的にはテキストベースに比べて何千何万倍のデータサイズになってしまったが、猫を知らない人に見せれば、猫という概念を認識しやすいだろう。
しかしこれで猫の概念を全て理解出来るかというと、まだ情報が足りていない。
なぜなら猫には色や模様や毛並み等、見た目だけでもさまざまな種類がある。
それに写真だけでは、猫がどんな動き方や鳴き声をするのかわからない。
だったら、猫を知らない人に、実際の猫を連れて行って見せればいいのでは?と思うかもしれないが、実は猫という概念を認識するには、データだけでは足りないものがある。
イラストではあるが、これも猫なのである。
「何を当たり前な…」と思うかもしれないが、実際の猫とは全く違うイラストの猫を、なぜ人間は瞬時に猫と認識できるのか、なかなかうまく説明できない。
そもそも意識的に「髭があって猫目で尻尾があるから猫」とか判断せずとも、勝手に頭がイラストであるにも関わらず、これは猫と認識してしまっているだろう。
つまり、人間は自分で認識している以上に、大量のデータを頭の中で処理している、ということになる。
「猫という概念を認識する」という事は、猫を覚えるという事ではない。猫のあらゆるデータを頭に入れて、猫を認識判別するニューロンを頭の中に構築していくという事だ。
今までさんざん猫と言ってきたが、これはFXの勝ち方についても全く同じことが言える。
FXで勝っている人が、自分が勝っている理由を自分で認識するのは困難だ。だから人に教えることもできない。
FXで勝つためには、FXの勝ち方のデータを覚えるだけでは駄目で、FXの勝ち方のニューロンを頭の中に構築するしかない(ゾーン 相場心理学入門に似たような事が書いてあった気がする)
ニコ生FXに出没していたユロ円マスターは、最初の頃は全く相場で勝てずに、クレカ地獄に陥る程に負けていたらしいが、三日三晩ユロ円のチャートをひたすら見続けるという生活をしていたら、ある日突然ユロ円のチャートが分かるようになったという。
今や資産3億の八千草も、FX3年目までは鳴かず飛ばずで勝てなかったが、ある日パン・ローリングの本を読んだら、何故か勝てるようになったという。自分でも、一体何が変わったのかはわからないんだとか。
原理的にはFXで勝っている人のニューロンを解析して、そっくりそのままAI化すれば、同じようにFXで勝てるようになるはずだが、上記のGoogleの猫認識だって、人間の脳のネットワーク規模に比べたらまだ100万分の1の規模だそうだ。